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コラム一覧

2023/02/22

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Auther :アステル

1 はじめに
最近、ブレーキとアクセルの踏み間違いが原因で、自動車が、家屋、店舗等に飛び込んでしまった事故のニュースを目にすることが増えてきたような印象があります。被害を受けた物が、家屋や店舗等であった場合は、自動車の場合とは異なる考え方が採用されているところもあります。

2 自動車の場合
被害を受けたものが自動車の場合、車両の損害に記載されているとおり、被害自動車の修理が物理的には可能であっても、修理費用が被害自動車の時価相当額(及び買替諸費用)を超える場合は、経済的全損として、修理費用より低い被害自動車の時価相当額(及び買替諸費用)を損害として、それに限った賠償がなされることになります。
なお、近時は、このような経済的全損の場合にも、被害自動車の修理費用をカバーするために、「対物超過修理費用特約」、「対物超過特約」などと呼ばれる保険商品が開発されています。しかし、これらの特約を利用するか否かは、加害者側の判断となりますので、注意が必要です。

3 家屋、店舗等の場合
家屋、店舗等が損害を受けた場合は、上記自動車の場合とは異なり、事故前の原状に戻すための修理費用については、原則として、損害賠償を求めることができ、修理によって、家屋、店舗等の耐用年数が延びたとしても、その分を不当利得として位置付け、賠償額から控除する必要もない(神戸地判平成13年6月22費交通民集34巻3号772頁)し、修理費用について、家屋、店舗等の新築時からの経過年数を踏まえて減価する必要もない(東京地判平成7年12月19日交通民集28巻6号1779頁)と考えられています。
また、店舗に自動車が突っ込んだ結果、店舗での営業ができなかった場合は、休業によって生じた営業損害の賠償請求も可能となります。

お困りの際は、弁護士法人アステル法律事務所へご相談ください。

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【物損事故に関するコラムはこちら】

代車使用料(レンタカー代)について
車両の損害
休車損
評価損(格落ち)は認められにくい
物損事故の損害賠償

2021/02/10

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Auther :アステル

相手方に請求できる代車使用料(レンタカー代)について

 

1 代車使用料

交通事故によって車両が損傷し、修理や買換えが必要になることは多いです。他に使用できる車両を持っておらず、レンタカーを借りる等の方法で代車を使用した場合、相当な修理期間・買換期間について、代車使用料を請求することができます。

事業用車両の場合は、こちらのコラム(休車損)をご覧ください。

 

2.相当な修理期間・買換期間とは

1)修理する場合

修理期間中の代車使用料を請求することができます。被害側が無過失の場合は、加害者保険会社がレンタカーを手配するとともに、レンタカー会社等に直接料金を支払う方法で対応することが多いです。

もっとも、レンタカー会社の代車使用料は比較的高額なので、修理工場の代車が手配でき次第、乗り換えを求められることがほとんどです。ご不満を感じられる方も多いですが、修理工場の代車が、自己車両より車種・グレード等が大きく劣る場合でないかぎり、乗り換えを拒むことは困難です。

また、事故による破損個所の修理のついでに、従前の破損個所の修理も追加で行うような場合には、追加期間の代車使用料は請求できません。

 

2)買換える場合、経済的全損の場合

こちらのコラム(車両の損害)でもご紹介しているとおり、車両が修理可能な場合には、修理工場と加害者保険会社が協議によって決定した修理費用が、車両の損害として賠償を受ける金額になります。したがって、修理するか買い換えるかは、修理費用をみて判断することになるでしょう。そのため、修理工場と加害者保険会社の協議・交渉期間が、1つの目安になります。概ね、2週間から、最長でも1か月程度が限度です。

経済的全損の場合も同様に、2週間から1か月程度の代車使用料であれば、加害者保険会社が負担してくれることが多いです。

 

3)相当な期間を超えても代車を使用する場合

相当な期間を超えた部分の代車使用料は、自己負担となります。

相手方や相手方保険会社がレンタカー会社等に料金を支払った場合には、その後支払われる金員から差し引かれることになります。

ご自分の保険にレンタカー費用特約がついていれば、これを利用することができます。

 

3.代車使用料を請求できない場合

まず、現実に代車を使用しなかった場合、どれだけ生活に支障があったとしても、金銭的な賠償を求めることはできません。

また、車を複数台所有しており、他に使用することができる代替車両がある場合、代車を使用する必要性が認められず、実際にレンタカーを借りていたとしても、その費用の請求は認められないことがあります。

 

双方に過失がある場合は、加害者側保険会社が直接レンタカーの支払いをしない場合があります。これは、物的損害が全て「実損害」の賠償に限られるため、過失割合がある以上は全額を支払うと支払いすぎてしまうことになるからです。

このような場合は、ご自身の車両保険に付随するレンタカー特約を利用することで、ご自分の負担割合分の金額も全て対応してもらうことができますので、利用しましょう。

お困りの際は、アステル法律事務所へご相談ください。

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【物損事故に関するコラム】

2020/11/18

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Auther :アステル

今回は、車両の損害についてご説明します。

車両そのものに生じた損害の内容や賠償を受ける金額は、損傷車両が修理可能か否かによって大別されます。

  1. 1.修理可能な場合

修理可能な場合、実際に要した修理費用の賠償を受けることができます。

加害者が対物賠償保険に入っている場合、加害者保険会社から修理工場に直接支払われることが一般的です。この場合、修理費用は、修理工場と加害者保険会社が協議によって決定します。

事故後、修理工場で見積もってもらった修理費用と、加害者保険会社が連絡してくる修理費用が異なることがあるのは、このような協議によって最終的に金額を決定することを見越しているためです。

なお、事故前から存在した損傷をついでに修理したり事故時のものより高価な部品を使用したりする費用は認められません。

  1. 2.修理不可能な場合

一般的に、以下のような場合、損傷車両の修理は不可能と評価され、時価相当額の賠償を受けることになります。

ⅰ)物理的に損傷が激しく、修理しても元に戻らない場合(物理的全損)

ⅱ)修理見積額が損傷車両の時価相当額を超える場合(経済的全損)

ⅲ)フレーム等車体の本質的構造部分に重大な損傷が生じており、損傷車両の買換えが社会通念上相当と認められる場合

時価相当額は、車種・型式・年式が同一で、同程度の走行距離、使用状況の車両を中古車市場で取得する費用から算定します。オートガイド自動車価額月報(いわゆるレッドブック)、中古車専門雑誌、インターネットの中古車関連サイト等の取引価格を参照することになります。実際に損傷車両を売却した場合には、中古市場価格から売却代金を差し引いた金額が支払われることが一般的です。

なお、自動車取得税、検査登録費用、車庫証明費用、廃車費用等の車両買換えに必要な費用のうち相当な範囲のものは、損害として賠償を受けることができます。買替の見積書や注文書を資料としてご準備いただくとスムーズに交渉を行うことができます。

  1. 3.精神的損害は認められない

我が国の現在の交通事故賠償事件では、残念ながら、物的損害に対する慰謝料は認められません。

愛着のある車両を損傷された点、修理を余儀なくされた点について、つらい思いをされる方もいらっしゃると思いますが、物的損害は所有権等の財産的損害であり、これは、修理等によって金銭的賠償を受けることによって補填されると考えられているためです。

 

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2020/10/30

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Auther :アステル

  1. 1.休車損とは

交通事故によって車両が損傷した場合、レンタカーをすぐに借りられればよいのですが、特殊な車両である等代替車両を手配することができず損害が生じることがあります。

交通事故によって事業用車両が損傷し、これを使用できなかったことによって損害が生じた場合の損害を、「休車損」といいます。今回は、どのような場合に休車損を請求できるか、ご説明します。

  1. 2.請求できる場合

交通事故賠償の実務上、①事業用車両の修理・買替え等が必要になり、その間事故車両を事業に用いることができず、かつ、②利用可能な遊休車がなかった場合に、休車損の賠償を求めることができます。

  • ①について

修理・買替えの必要性や、これに要する期間が争いになることがあります。

また、修理開始まで時間がある場合で、自走可能にもかかわらず入庫しっぱなしだった場合も、トラブルになりやすいケースです。

  • ②について

遊休車とは、他に使用することができた代替車両のことをいいます。例えば、運送業者で使っていないトラックがある場合や、他のトラックの運転工程をやりくりできる場合等です。

代替車両を容易に工面できるにもかかわらず工面しなかった場合には、休車損は認められません。

もっとも、損傷車両の他にも事業用車両がある場合であっても、常時稼働していて損傷車両の代わりに使うことができないとか、保管場所が遠く損傷車両の代わりに使うことができないといった事情がある場合には、「利用可能な遊休車」にはあたりません。

具体的には、損傷車両で行っていた事業の内容、損傷車両の特殊性、他の車両の保有台数、実働率、運転手の人数・勤務体制、複数の営業所に配車している場合はその配置数等の事情を考慮し、他の事業用車両を活用することができたかどうかを検討することになります。

  • 注意点

会社が代替車両を工面して事業に影響が生じなかった場合、代替車両工面にいくら苦労したとしても、これに対する損害は認められませんので、注意が必要です。

また、代わりの車両をレンタルし、その代金を加害者・加害者保険会社に請求している場合には、休車損は認められません。

  1. 3.請求できる額

休車損の金額は、一般的に、以下の方法で計算します

損傷車両の利用によって得られる利益は、1日あたりの売上高から、燃料費等の損傷車両を使用しないことによって出費を免れた変動経費を控除する方法で計算します。

 

 

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2017/12/13

shimoyama

Auther :下山 和也

評価損(格落ち)は認められにくい

 

1 交通事故の物損についての相談で、多いのが「事故歴がつくことで車両の価値が落ちる分は、どうなるのでしょう。」といったお問い合わせです。

これは、「評価損」、いわゆる「格落ち」というものであり、交通事故における損害として、賠償の範囲に入るかという問題になります。

2 「評価損」には、①修理によっても走行性能等の完全な原状回復が図れないという「技術上の評価損」がある場合と、②事故歴がつくことで中古車市場価格が下がる「取引上の評価損」がある場合とに分けられます。

①技術上の評価損については、走行性能等に欠陥が生じることによって下落する車両価格について、損害賠償の範囲となることが認められますが、②取引上の評価損については、見解に争いがあります。

とはいえ、実務上は、取引上の評価損も必ずしも認められないわけではなく、具体的な事情に応じて評価損の有無や金額が判断されています。

3 評価損の算定方法としては、事故当時の車両価格と修理後の車両価格との差額とする方法や、事故当時の価格の一定割合とする方法、修理費の一定割合とする方法等があります。

一般的には、修理費に割合をかける方法がとられることが多くあります。これは、損傷の程度が大きいほど、修理代が高額になる一方、車両価値の低下も大きくなると考えられるためです。

この場合の割合については、具体的な事情を総合的に考慮することになります。たとえば、被害車両の車種、年式、走行距離や、損傷の部位や程度、修理状況も問題になります。また、事故当時の中古車市場価格や、財団法人日本自動車査定協会による事故後車両の査定(事故減価額証明書)なども判断の資料となります。

一般的には、そもそもの車両価格(資産価値)が高い外国車や高級車、初度登録から半年以内の新車等の場合に評価損が認められやすい傾向にあります。

しかし、残念ながら、初度登録から複数年が経過している一般国産車等の場合には、そもそも評価損が認められないことがほとんどです。

4 保険会社の対応としては、基本的に評価損を認めてこない傾向にあります。仮に評価損を争う場合は、訴訟による解決となってしまう可能性があることを十分に考慮する必要があります。

示談で保険会社に評価損を支払ってもらうことは困難と考えておいた方が良いでしょう。

 

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