2021/02/10
相手方に請求できる代車使用料(レンタカー代)について
1 代車使用料
交通事故によって車両が損傷し、修理や買換えが必要になることは多いです。他に使用できる車両を持っておらず、レンタカーを借りる等の方法で代車を使用した場合、相当な修理期間・買換期間について、代車使用料を請求することができます。
事業用車両の場合は、こちらのコラム(休車損)をご覧ください。
2.相当な修理期間・買換期間とは
1)修理する場合
修理期間中の代車使用料を請求することができます。被害側が無過失の場合は、加害者保険会社がレンタカーを手配するとともに、レンタカー会社等に直接料金を支払う方法で対応することが多いです。
もっとも、レンタカー会社の代車使用料は比較的高額なので、修理工場の代車が手配でき次第、乗り換えを求められることがほとんどです。ご不満を感じられる方も多いですが、修理工場の代車が、自己車両より車種・グレード等が大きく劣る場合でないかぎり、乗り換えを拒むことは困難です。
また、事故による破損個所の修理のついでに、従前の破損個所の修理も追加で行うような場合には、追加期間の代車使用料は請求できません。
2)買換える場合、経済的全損の場合
こちらのコラム(車両の損害)でもご紹介しているとおり、車両が修理可能な場合には、修理工場と加害者保険会社が協議によって決定した修理費用が、車両の損害として賠償を受ける金額になります。したがって、修理するか買い換えるかは、修理費用をみて判断することになるでしょう。そのため、修理工場と加害者保険会社の協議・交渉期間が、1つの目安になります。概ね、2週間から、最長でも1か月程度が限度です。
経済的全損の場合も同様に、2週間から1か月程度の代車使用料であれば、加害者保険会社が負担してくれることが多いです。
3)相当な期間を超えても代車を使用する場合
相当な期間を超えた部分の代車使用料は、自己負担となります。
相手方や相手方保険会社がレンタカー会社等に料金を支払った場合には、その後支払われる金員から差し引かれることになります。
ご自分の保険にレンタカー費用特約がついていれば、これを利用することができます。
3.代車使用料を請求できない場合
まず、現実に代車を使用しなかった場合、どれだけ生活に支障があったとしても、金銭的な賠償を求めることはできません。
また、車を複数台所有しており、他に使用することができる代替車両がある場合、代車を使用する必要性が認められず、実際にレンタカーを借りていたとしても、その費用の請求は認められないことがあります。
双方に過失がある場合は、加害者側保険会社が直接レンタカーの支払いをしない場合があります。これは、物的損害が全て「実損害」の賠償に限られるため、過失割合がある以上は全額を支払うと支払いすぎてしまうことになるからです。
このような場合は、ご自身の車両保険に付随するレンタカー特約を利用することで、ご自分の負担割合分の金額も全て対応してもらうことができますので、利用しましょう。
お困りの際は、アステル法律事務所へご相談ください。
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